光カートリッジ テクノロジー
![](../go/images2018/dsaudio_logo.jpg)
光カートリッジとは、
DS Audioが世界で唯一製造する光電式カートリッジのことです。
![](../go/images2021/dsaudiotech_1.jpg)
検出原理の違い
MM/MCカートリッジも光カートリッジも
どちらも針を通してレコード溝を読み取ることは同じですが、
通常のMM/MCカートリッジは
![](../go/images2021/dsaudiotech_2.jpg)
磁界の中でマグネット(またはコイル)が
振動することで音楽信号を検出します。
一方、光カートリッジは、
![](../go/images2021/dsaudiotech_3.jpg)
LEDとPD(太陽電池)を使い、影の変化(明るさの変化)を
捉えることで音楽信号を検出します。
MM/MCカートリッジは磁界を切ることで発電する為、
マグネット(またはコイル)が動く際に
必ず磁気抵抗が発生してしまいますが、
光カートリッジは
明るさの変化(影の動き)を
検出しているだけなので振動系が動く際の
磁気抵抗が一切発生しません。
![](../go/images2019/dse1_5.jpg)
その為
振動系にかかる負荷が少なく、
針先がスムースに動くことが出来る。
これが光カートリッジの原理的な
一つ目のメリットになります。
またMM/MCカートリッジは
音楽信号を検出する為にマグネット
またはコアとコイルを動かさなければなりませんが、
光カートリッジの場合は
わずか100ミクロンの厚みの薄い
遮光板を動かすだけで良いため
実行質量が極めて軽いというメリットが
2つ目の光カートリッジの原理的なメリットになります。
![](../go/images2021/dsaudiotech_3.jpg)
MM/MC カートリッジ:「磁気抵抗 あり」、「実効質量 重い」
光カートリッジ:「磁気抵抗 なし」、「実効質量 軽い」
光カートリッジの検出原理
光カートリッジは
赤外線LEDと遮光板と2つのPD(太陽電池)を使い
針の動きを検出します。
動作原理は至って簡単でLEDの前で遮光板が振動し、
その後ろにあるPD(太陽電池)が明るさの変化を検出します。
![](../go/images2021/dsaudiotech_4.jpg)
![](../go/images2021/dsaudiotech_5.jpg)
![](../go/images2021/dsaudiotech_6.jpg)
ここで明るさの変化から
どのようにL,Rチャンネルの信号を
独立して検出するかを説明致します。
写真図はLEDがある位置から
遮光板と太陽電池を見た図となりますが、
レコードの溝が振動(斜め45度方向)すると
振動は針先からカンチレバーに伝わり
遮光板も共に振動します。
遮光板が正面のLEDの光を遮るような形で振動することで、
PD(太陽電池)へ入る明るさは、
明るい→暗い→明るい→暗いと連続的に変化します。
そしてPD(太陽電池)は
その明るさの変化=レコード盤の溝の動きを
電圧変化としてそのまま出力します。
その際に逆のPD(太陽電池)側は
遮光板の動きが平行移動となることで
太陽電池の明るさは変化しない為、
一つの遮光板で左右2チャンネルのオーディオ信号を
検出をすることが可能になっております。
この基本的な検出原理は
40年前の光電式カートリッジと全く同じです。
![](../go/images2019/dse1_1.jpg)
ご理解頂きたいのは
PD(太陽電池)の出力は遮光板の動き=レコード盤の動き
そのものをそのまま電圧変化として出力しており、
一切デジタル化などといったことはされていない
完全なアナログサウンドであるということです。
MM/MC カートリッジ出力
「アナログ」
光カートリッジ出力 「アナログ」
専用イコライザーの必要理由
光カートリッジでは
MM/MC用のフォノイコライザーを使用することは出来ず、
DS Audioの光カートリッジ専用の
フォノイコライザーを使用して頂かなければなりません。
![](../go/images2018/ds002_e5.jpg)
その理由は以下の2つの理由です。
@カートリッジにLEDを使用している関係上
カートリッジに対して電源供給が必要であるが、
その電源供給をイコライザーから行なっているため
光カートリッジのLEDへの電源供給は
トーンアームのグランド(青色と緑色のライン)を使って
電源供給しております。
その為、光カートリッジをご使用頂くには
トーンアームの4本のケーブルが
きちんと独立していることが必須となります。
(現在市場で流通しているほとんどのアームは問題ありません。)
![](../go/images2019/dse1.jpg)
ARIAA補正に必要な電気回路が
MM/MCカートリッジのものと全く異なるため
MM/MCカートリッジの出力は
速度に比例する速度比例型の為
速度の上がるごと(=高い周波数になると)に
出力が増加します。
光カートリッジ
(昔のクリスタル型やコンデンサ型も同様)は
レコードの溝の動きをそのまま出力する
振幅比例型出力であるため
低い周波数から高い周波数までフラットに出力します。
このように振幅比例型に分類される光カートリッジは、
速度比例型であるMM/MCカートリッジとは
出力形態が異なるため仮に同じレコードを
読み取ったとしても全く異なる出力が得られます。
その為、当然RIAA補正に必要な電気回路も
振幅比例型(光)カートリッジ用のRIAA補正回路と
速度比例型(MM/MC)カートリッジ用のRIAA補正回路は
異なったものとなってきます。
これが光カートリッジを使用する際に
専用のフォノイコライザーが必要となってしまう
2つ目の理由になります。
![](../go/images2018/ds002_2.jpg)
なお振幅比例型の光カートリッジは
低い周波数から高い周波数まで溝の動きを
そのままフラットに出力できる為、
光カートリッジのRIAA補正回路は
速度比例型(MM/MC)のRIAAイコライザー回路に比べて
圧倒的にシンプルな回路となります。
フォノイコライザーカーブの補正回路が
MM/MC用のフォノイコライザーに比べて
圧倒的にシンプルな回路に出来ること
これも光カートリッジの大きなメリットの一つとなっております。
40年前の光電式カートリッジと
DS Audio光カートリッジの
違いについて
ご存知の方も多いかとは思いますが、
今から40年以上前にも
東芝、シャープ、トリオ、ケンウッドなどから
光電式カートリッジは製品化されていました。
一度製品化された光電式カートリッジが
姿を消してしまったのは、発売された1970年代は
大手会社の開発資源がアナログから
CDへの移行したことが一番大きな理由かとは思いますが、
過去の光電式カートリッジには
どうしても克服できなかった一つの課題がありました。
それは「熱」の問題です。
![](../go/images2021/dsaudiotech_7.jpg)
今から40年前には現在のようにLEDなどはなく、
光電式カートリッジに使用できる
光源はランプしかありませんでした。
このランプを光らせると大量の熱を放出し、
その熱がカートリッジのダンパーゴムを
暖めてしまうことで時間が経つにつれて
ダンパーゴムがどんどん柔らかくなってしまい
コンプライアンスが変化してしまう
(音色が変化していってしまう)という問題がありました。
この問題を克服する為に
各社様々な工夫をしていたようですが
抜本的な解決策は見つからないまま
光電式カートリッジは姿を消してしまいました。
しかしこの頃から磁気から解放された
光電式カートリッジのクリーンで鮮度の高い
音質自体は非常に高く評価されており、
その後40年以上に渡り「伝説の銘機」として
語り継がれて来ました。
ここで何故DS Audioが40年の時を経て
光電式カートリッジを復活させられたかというと、
一番大きな理由は40年間の間に
発光素子、受光素子共にデバイスが大きく進化したことです。
![](../go/images2018/ds002_6.jpg)
現在は40年前と違い
非常に小型で高出力なLEDを使用出来る為
昔のように熱の問題が発生しません。
(家庭の電気でも蛍光灯の頃の
電球は熱かったかと思いますが、
LED電球にすれば熱くならないのと同じイメージです)
そして光源の波長にしっかり感度特性の合った
高感度なフォトダイオード
(光源の波長でもっとも感度が良く動作する受光素子)を
使用出来る為、非常に高い出力(約40mV)を
取り出すことが可能となっております。
![](../go/images2018/ds002.jpg)
光カートリッジの出力は
約40mVとMM/MCカートリッジと比較すると
約10倍〜100倍にもなる高出力を得られる為、
トーンアーム内を微弱電流で通す必要がない点も
MM/MCカートリッジにない
大きな魅力の一つとなっております。
40年前の光電式カートリッジ
光源 「ランプ」
受光素子「フォトトランジスタ」
DS Audio の光カートリッジ
光源 「赤外線LED」
受光素子 「感度特性の適切に合ったフォトダイオード」
昔から音質自体の評価は高く
伝説の銘機と語り継がれてきた光電式カートリッジですが、
上記のように
ようやく光電式カートリッジの真価を発揮できるような
時代背景が整ったことで
現代に光電式カートリッジが蘇りました。
現代に蘇った「伝説の銘機」の音を
是非一度ご体感ください。
![](../go/images2020/dsgm_13.jpg)
<Grand Master カートリッジ 仕様>
発電方式:光電型
チャンネルセパレーション:27dB
出力電圧:70mV(カートリッジ出力)
![](../go/images2020/dsgm_10.jpg)
カンチレバー:ダイヤモンド
針先:マイクロリッジ針
ボディ材:超々ジュラルミン
針圧:2.0g〜2.2g(推奨2.1g)
質量:7.7g
![](../go/images2023/dsgmex_1.jpg)
<Grand Master Extreme カートリッジ 仕様>
発電方式:光電型
チャンネルセパレーション:27dB
出力電圧:70mV(カートリッジ出力)
![](../go/images2023/dsgmex_4.jpg)
カンチレバー及び針:一体型ダイヤモンドカンチレバー
ボディ材:超々ジュラルミン
カンチホルダー素材:ステンレス
針圧:2.0g〜2.2g(推奨2.1g)
針先:マイクロリッジ針
質量:7.7g
![](../go/images2023/dsm3_1.jpg)
<DS Master 3 カートリッジ 仕様>
発電方式 光電型
チャンネルセパレーション 27db 以上 (1KHz)
質量 7.9g
出力電圧 70mV以上 (カートリッジ出力) (1kHz)
![](../go/images2023/dsm3_4.jpg)
カンチレバー 角柱ダイヤモンドカンチレバー
ボディ素材 超々ジュラルミン
カンチホルダー素材 ステンレス
針圧 2.0-2.2g (適正2.1g)
針先 マイクロリッジ針
![](../go/images2022/dsw3_1.jpg)
<DS
W3 カートリッジ 仕様>
発電方式 光電型
チャンネルセパレーション 27db以上(1KHz)
質量 7.9g
出力電圧 70mV以上(カートリッジ出力)
カンチレバー ボロンカンチレバー
ボディ素材 アルミニウム削りだし
カンチホルダー素材 ステンレス
針圧 1.85-2.05g(適正1.95g)
針先 ラインコンタクト針
![](../go/images2021/ds003_1.jpg)
<DS 003 カートリッジ 仕様>
発電方式 光電型
チャンネルセパレーション 27db以上(1KHz)
質量 7.7g
出力電圧 60mV(1KHz)(カートリッジ出力)
カンチレバー アルミニウムカンチレバー
ボディ素材 アルミニウム削りだし
カンチホルダー素材 ステンレス
針圧 2.0-2.2g(適正2,1g)
針先針先 ラインコンタクト針
![](../go/images2024/dse3_3.jpg)
<DS E3 カートリッジ 仕様>
発電方式:光電型
チャンネルセパレーション:26dB以上(1kHz)
出力電圧:500mV以上(イコライザー出力)
![](../go/images2024/dse3_2.jpg)
カンチレバー:アルミ
ボディ材:アルミ削り出し
針圧:2.0g〜2.2g(適正2.1g)
針先:楕円
質量:7.7g