SACD ハイブリッド

希代のモーツァルティアン、

ピリスの総決算となった究極のソナタ録音 4曲。   

 
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集

マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)

価格:3,611円(税別)
ESSG-90189[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

大好評、販売中!



■希代のモーツァルティアン、ピリス  

 

ポルトガル出身の女流ピアニスト、マリオ・ジョアン・ピリス( 1944年リスボン生まれ)が

世界的な注目を 浴びたのは 1970年のベートーヴェン国際コンクール優勝がきっかけでした。

 

そしてレコーディング・ アーティストとしてのピリスの名を大きくアピールしたのは

 1974年初頭に約 1か月半をかけて東京・イイノホールで録音された

モーツァルトのピアノ・ソナタ全集という大作。

 

日本コロムビアから発売されたこの 8枚組の全集は

PCMデジタル録音による世界初のモーツァルト・ピアノ・ソナタ全集であったのみならず、

ヨーロッパではフランスのエラート・レーベルで発売され

ADFディスク大賞、エディソン賞など重要なレコード賞を受賞し、

同時期にエラートに録音した LP4枚分のピアノ協奏曲集とともに、

まだ 30歳になったばかりの「新しい世代のモーツァルト弾き」としての

ピリスの姿を鮮烈に印象付けたのでした。

 




2度目のモーツァルト全集からのベスト選曲    

 

それ以来モーツァルトのピアノ作品は、ピリスのトレード マークとなりました。

 

小柄で手も小さいピリスにとっては、

モーツァルトの作品は、ある意味理想的で、

その音楽性の全てを余すところなく投入できる対象となったのでした。

 

ピリスは 1970年代後半から 80年代前半にかけて

病を得て演奏・録音活動の中断を余儀なくされましたが、

演奏活動再開後初めて手掛けた録音は、

やはりモー ツァルト( 1984年 2月、ピアノ・ソナタ第 6番・第 14番他、 エラート)でした。

 

そして 1989年にエラートからドイツ・グラモフォンに移籍したピリスが

録音プロジェクトの最初に選んだのもモーツァルトのソナタであり、

今回は 1991年 の没後200年となるモーツァルト・イヤーを念頭に入れての

ドイツ・グラモフォンにとってのアニヴァーサリー企画の一つと位置付けられ、

 89年から 90年にかけてピリスにとって 2度目の全集が録音されました。

 

当アルバムはこの 2度目の全集で

最初に発売された 2枚のアルバムから 4曲を新しくコンパイルしたものです。

 

 





20世紀後半のモダン・ピアノによるモーツァルト解釈の到達点     

 

作曲家が指示したリピート記号を遵守し、粒ぞろいの美音と、過度にならない自然なニュアンス付け、

そして極力装飾を控えるというピリスのモーツァルト解釈は、

まさに 20世紀後半のモダン・ピアノによる モーツァルト演奏様式を極めたものと言えるでしょう。

 

過剰な感情のふり幅を持ち込まず、むしろスト イックなまでに緻密なコントロールを聴かせつつも、

決して堅苦しくない雰囲気を持つ演奏は、音楽や作曲家に対して

常に真摯な姿勢で臨んできたピリスの人柄を反映しているかのようです。

 

折しも 2018年末をもって公開の演奏活動からは身を引くことを発表したピリスですが、

そうした時期に彼女が残したもっとも重要な録音の一つが新たなリマスタリングによって復活するのも、

時宜にかなったことといえ るのではないでしょうか。

 




最高の状態での Super Audio CD ハイブリッド化が実現      

録音はドイツ・グラモフォンが 1970年代からソロや室内楽の録音に多用している、

ハンブルクか ら電車で 20分ほどの郊外ハールブルクにある

フリードリヒ =エーバルト =ハレで行われました。

 

1929年に建造され、パイプ・オルガンも備えた 1885席のホールは、

録音においても透明感のある暖かいアコースティックが得られることが知ら れています。

 

1980年代以降のドイツ・グラモフォ ンのメイン・エンジニアの一人、

ヘルムート・バー クによる音作りは、大きなホールでの録音にもかかわらず、

ピリスをごく親密な空間で聴いているかのようなイメージを与えてくれるもので、

作品と 演奏の本質に相応しい見事なエンジアリングです。

 

もともとが優秀なデジタル録音であり発売以来特にリマスターが施されたことはなかったため、

今回は初めてのDSDリマスタリングとなります。

 

今回の Super Audio CD ハイブリッド化に当たっては、

これまで同様、使用するマスターテープの選定から、

最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。

 

特に DSDマスタリングにあたっては、

 DAコンバーターとルビジウムク ロックジェネレーターに、

入念に調整された ESOTERICの最高級機材を投入、

また MEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、

オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化すること ができました。

 

 



「モーツァルトを聴く喜び、ここに極まる」    

 

「音色の整った美しさや、正確な進行の変化など、自然に成功させているだけでなく、

ただ感覚にま かせて弾いているのではない、何かモーツァルトのピアノ・ソナタ全体を展望する姿勢が、

はっきりと感 じとれる。ピリスはただの「モーツァルトが得意な女流ピアニスト」じゃない。

こまかなニュアンスで優しさ を響かせる一方で、どこかに必要な冷徹な計算をも、

ちゃんと隠し持っているのが強力だ。」

 (『ONTOMO MOOKクラシック名盤大全器楽曲編』、 1998年)

 

 「(ピリスが) 90年前後になって、彼女が改めて着手し完成したモーツァルト・ソナタ全集の魅力は、

演奏芸術家としての心、技両面にわたる深まりを物語って、まさしく格別なものがある。

初出当時、中の1 枚を聴いた折に私は「モーツァルトを聴く喜び、ここに極まる」とまで書き記したが、

思いは今も変わらない。人々がモーツァルトに抱くイメージを裏切らない、

むしろ端正な弾きぶりでありながら、そこには、い かに精巧な造花でも決して表しえない、

生花ならではの瑞々しさが息づいているのだ。」

 (『クラシック不滅の名盤 1000』、2007年)

 



■収録曲

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

ピアノ・ソナタ第 15番ハ長調 K.545

[1]第 1楽章:アレグロ

 [2]第 2楽章:アンダンテ

 [3]第 3楽章:ロンド(アレグレット)

 

ピアノ・ソナタ第 8番イ短調 K.310(300d)

 [4]第 1楽章:アレグロ・マエストーソ

 [5]第 2楽章:アンダンテ・カンタービレ・コン・エスプレシオーネ

 [6]第 3楽章:プレスト

 

ピアノ・ソナタ第 11番イ長調 K.331(300i)《トルコ行進曲付》

 [7]第 1楽章:主題(アンダンテ・グラツィオーソ)と変奏

 [8]第 2楽章:メヌエット〜トリオ

[9]第 3楽章:アラ・トゥルカ(アレグレット)

 

 ピアノ・ソナタ第 14番ハ短調 K.457

 [10]第 1楽章:モルト・アレグロ

[11]第 2楽章:アダージョ

[12]第 3楽章:アレグロ・アッサイ

 

 [録音] 1989年 2月(K. 545 & 310)、1990年 5月(K.331 & 457)、

ハンブルク、フリードリヒ =エーバルト =ハレ

 

 [初出] 第 15番・第 8番 427 768-2(1989年)

第 11番・第 14番 429 739-2 (1990年)

 

 [日本盤初出] 第 15番・第 8番 F00G20474 (1990年 1月 25日)

 第 11番・第 14番 POCG1053 (1990年 11月 25日)

 

 [オリジナル・レコーディング]

[プロデューサー]クリストファー・オールダー

 [バランス・エンジニア]ヘルムート・バーク

[エディテイング]ティロ・グラハン( K. 545 &310)、クラウス・ベーレンス( K.331 & 457)

 

 [Super Audio CDプロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)

 [Super Audio CDリマスタリング・エンジニア]杉本一家( JVCマスタリングセンター (代官山スタジオ ))

 [Super Audio CDオーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説]諸石幸生柴田龍一

[企画・販売]エソテリック株式会社

[企画・協力]東京電化株式会社