今回の6作品は、
1950 年代5 タイトル、
1964 年1 タイトルという
アナログ全盛期に生み出された
録音による歴史的名盤6 タイトルの復刻です。
登場するジャズ・ヴォーカリストは、
エラ・フィッツジェラルド、
アニタ・オデイ、
カーメン・マクレエ、
ペギー・リー、
ヘレン・メリル、
モニカ・ゼタールンドの 6 名。
彼女たちの全盛期の最も輝いていた時代に
発表した 20世紀の遺産ともいわれる作品ばかりです。
名歌手と豪華伴奏陣による不朽の名盤の数々
5 作品が50 年代中期の録音。
その中で4 作がモノラル収録ではありますが、
ディスクとしての完成度、価値などを考えても、
絶対に外すことのできない内容を持っていると判断し、
20 世紀の貴重な収録を最良の状態で
お届けすることにしました。
レーベルも4つあり、
そこからのピックアップとなっています。
『ライク・サムワン・イン・ラヴ/エラ・フィッツジェラルド』と
『アニタ・シングス・ザ・モスト』は
ジャズ専門レーベルの中で
最大のカタログ数を誇るヴァーヴ、
『アフター・グロウ/カーメン・マクレエ』と
『ブラック・コーヒー/ペギー・リー』は
RCA、CBSとも肩を並べていた
大手レーベルであった米デッカ、
『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』は
新興ながら大手に迫る勢いであった
マーキュリー・レコードのジャズ専門レーベル、
エマーシー、60 年代の
『ワルツ・フォー・デビィ/モニカ・ゼタールンド・ウィズ・ビル・エヴァンス』は
ヨーロッパ録音でフィリップス・レーベルです。
これら6 つの作品に共通しているのは
伴奏者、間奏を担当する
ソロ・ミュージシャンが大変に優れていることです。
エラ・フィッツジェラルドには
当時白人テナー・サックス奏者として
人気ナンバーワンだったスタン・ゲッツが、
アニタ・オデイの伴奏は飛ぶ鳥を落とす勢いだった
オスカー・ピーターソン・トリオが協演しています。
カーメン・マクレエは
ニューヨークに出てきて注目されていた
若手ピアニスト、レイ・ブライアントのトリオが、
ペギー・リーのバックには
ウェスト・コーストで洒落たジャズを演奏していた
トランペッターのピート・カンドリと
これまた小粋な演奏が魅力的だった
ジミー・ロウルズが彼女たちをサポートしています。
そしてヘレン・メリルには
クリフォード・ブラウンが輝く音色の
トランペットで華を添えます。
モニカ・ゼタールンドのバックは
ビル・エヴァンス・トリオです。
どのディスクもジャズとして
最高峰の演奏が残されているのです。
最高の状態でのSuper Audio CD ハイブリッド化が実現
ジャズでステレオ化が主流になったのは
50 年代の後半からということもあり、
ここではモノラル録音のマスタリングも4 作ありますが、
ジャズ特有の熱気や力強さは
モノラルでも全く失われてはいませんし、
それ以上にレコード音楽でしか体感できない
生々しさ、Hi-fi 感覚、これを念頭に意識しながら
6 作品それぞれの歌手が持つ声や歌い回しなど、
本来備えていた音楽的な魅力を浮き彫りにするような、
ESOTERIC 特有の丁寧なマスタリング、
製盤作業を行いました。
各レーベルでその音創りは違っていますが、
ここでは通常のESOTERIC の志向と同様に
“マスターに残された音、そのものを再現する”ように心がけました。
今回のSuper Audio CD ハイブリッド化に当たっては、
これまでのESOTERIC 企画同様、
使用するマスターの選定から、
最終的なDSD マスタリングの行程に至るまで、
妥協を排した作業が行われています。
特にDSD マスタリングにあたっては、
DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、
入念に調整されたESOTERIC ブランドの
最高級機材を投入、
またMEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用することで、
貴重な音楽情報を余すところなく
ディスク化することができました。
LIKE SOMEONE IN LOVE
ELLA FITZGERALD
ESSO-90143
WALTZ FOR DEBBY
MONICA ZETTERLUND
with
BILL EVANS
ESSO-90148