SACD ハイブリッド

イタリアの若獅子シャイーここにあり!

俊才の輝きを世界に知らしめたCD最初期の名盤  

 
ロッシーニ:序曲集

リッカルド・シャイー(指揮)

ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団  

価格:3,611円(税別)
ESSD-90218[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

大好評販売中!



■アバド、ムーティに続くイタリアの新星、リッカルド・シャイー  

 

1960 年代から台頭したクラウディオ・アバド( 1933 - 2014 )、

その次の世代として 1970 年代から世界的な活動を開始した

リッカル ド・ムーティ ( 1941 年ナポリ生まれ )は 、

 20 世紀後半にクラシック音楽界に新風を吹き込んだイタリア楽派の指揮者でした。

 

それに 続いたのがパウル・ヒンデミット門下の音楽学者・作曲家である

ルチアーノ・シャイーの息子としてミラノに生まれた

リッカルド・シャイー(1953年 生まれ) で、

この 3 人に共通す るのは、それまでのイタリア人指揮者といえば

歌劇場における現場での叩き上げ、というイメージが強かったのに対し、

オペラだけではなく交響曲・管弦楽曲も含む

広範なコ ンサート・レパートリーを持つこと、

また緻密なアナリーゼに基づいた理知的な視点を音楽解釈に持ち込んだことでしょう。

 

イタリア人らしい歌心溢れた熱いカンタービレを冷静に統御する

知性、音楽の構成感への完璧な目配りによって、

それまでにないタイプの指揮者としてイタリア国内だけでなく、

世界的に広く活躍する存在になりました。

 




1970 年代後半に彗星のごとく各地でデビュー、レコーディングも開始     

 

シャイーは、ローマ、ペルージャ、ミラノの音楽院で学び、シエナでは名匠フランコ・フェラーラに師事。

指揮者デビューはわずか 14 歳の時で、

1972 年からはアバドの元でミラノ・スカラ座のアシスタントとつとめ、

1974 年にはシカゴ・リリック・オペラでプッチーニの「蝶々夫人」を指揮してアメリカ・デビュー、

 1978 年にはミラノ・スカラ座でヴェルディの「群盗」を指揮して

スカラ座・デビューを果たすという俊英ぶりを発揮。

 

レコーディングを開始したのはその翌年の 1979 年で、

マスネ「ウェルテル」をドイツ・グラモフォン に録音した後、

ロッシーニ「ウィリアム・テル」(デッカ)、「セビリャの理髪師」、

「イタリアのトルコ人」(以上 リコルディ)と立て続けにロッシーニのオペラを録音しています。

 

一方シンフォニックなレパートリーでは、

1979 年にロンドン・フィルとメンデルスゾーンの「讃歌」(フィリップス)を、

さらに翌年にはウィーン・フィル とチャイコフスキーの交響曲第 5番(デッカ)を録音し、

名門オケを相手に自らの主張を貫いた爽快な名演は

その才能の豊かさを実感させるのに十分なものでした。

時はまさにデジタル時代の到来を告げており、

デジタル録音やコンパクトディスクという新たなメディアのソフトが待ち望まれていたこともあり、

 シャイーはそのニーズの波に乗って

レコーディング・アーティストとしても快進撃を続けることになります。

 





世界に飛躍した 1980 年代の端緒となったロッシーニ序曲集     

 

シャイーが真の意味で世界的に飛躍したのは 1980 年代のことで、

 1982 年からはベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ響)首席指揮者、

 1986 年からはボローニャ歌劇場音楽監督に就任し、

 30 代に して自らのオーケストラとオペラハウスを持つに至ったのです。

 

レコーディングも 1980 年以降はデッカ と専属契約を結び、

幅広く個性的なディスコグラフィを築き上げていきますが、

その端緒となったのが 1981 年と 1984 年に録音されたロッシーニ序曲集といえるでしょう。

 

アバドもムーティも、あるいはその前の世代のジュリーニやトスカニーニも

ロッシーニ序曲集の録音を残しており、

それぞれの時代で名盤とされてきましたが、

このシャイー盤は文字通り 1980年代を代表するロッシーニともいうべき、

溌溂としたアンサンブルの見事さ、曲ごとの鮮明な キャラクタライゼイションのほかに 、

デジタル的な緻密さ、鮮度の高さを備えた演奏です 。

 


録音専門のナショナル・フィルの功績     

 

このアルバムの成功の一翼を担ったのは

1960 年代にヴァイオリニストのシドニー・サックス (1913 . 2005) をリーダーとして設立された

録音用のオーケストラ、ナショナル・フィルでした。

 

フリーランスを含むロンドンのさまざまなミュージシャンを、レコード会社のニーズに応じて、

録音のレパートリーやプロジェクトごとに編成するオーケストラで、

もともと機能性の高いロンドンのオーケストラの中でも、録音に特化 した分、

優れた奏者が集結し、ニュートラルでありながら見事なアンサンブルを誇る存在となっていました。

 

クラシックに限らず映画音楽までをさまざまなレコード・レーベルに録音していますが、

特にアナログ後期からデジタル初期にかけては

デッカが積極的に名歌手を集めたオペラのセッション録音に起用し、

シャイーも「ウィリアム・テル」を皮切りに、

「イタリアのトルコ人」、「アンドレア・シェニエ」の全曲盤で共演しています。

 

 

 



最高の状態での Super Audio CD ハイブリッド化が実現     

 

録音は定評あるロンドンの録音会場であるキングスウェイ・ホールと

ウォルサムストウ・タウン・ホールで行われました。

特にキングスウェイ・ホールはその優れた音響効果によって、

20 世紀後半以降、つまり LP 時代以降のクラシック音楽界の録音産業に大きく貢献した録音会場でした。

 

1984 年初頭をもって 録音会場としては使われなくなったので、

このロッシーニ序曲集( 9 曲のうち 7 曲がキングスウェイ・ホールで収録されています)は

その最後の輝きを刻印した録音といえるでしょう。

デッカ録音の最上の例ともいうべきクオリティで、 各パートの鮮明度を保ちつつ、

 オーケストラ全体のパースペクティヴがホールの響きも含め きっちりと捉えられています。

キ ングスウェイ・ホールのセッションは、

 1960 年代にコロンビア・ レコードでジョージ・セルや

ピエール・ブーレーズらの録音を手がけた知性派のプロデューサー、

ポール・マイヤース ( 1932 - 2015 )が手掛けているのも興味深いところでしょう。

 

デジタル録音の初期で、 LP 発売がほぼ CD 発売と同時だったころの録音であるため、

本格的なリマスタリングが行われるのは、今回が初めてとなります。

 

今回の Super Audio CD ハイブリッ ド化に当たっては、

これまで 同様、使用するマスターテープの選定から、最終的な DSD マスタリングの行程に至るまで、

妥協を排した作業が行われています。

特に DSD マスタリングにあたっては、

DA コンバーターとルビジウムクロックジェネレーターとに、

入念に調整された ESOTERIC の最高級機材を投入、

また MEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用することで、

オリ ジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。

 

 

 


「オペラ指揮者としての天才的なセンスが光る、聴く者の心をとらえる演奏」     

 

「オペラ指揮者としての天才的なセンスが光るシャイーのロッシーニ序曲集。

各曲の劇的な個性を引き出し、魅力あふれるニュアンスで描き切っている。

その生き生きとして新鮮な表情は、ロッシーニ音楽の旋律美と特有のリズム構造をいっそう引き立て、

のびやかなスケールで生き生きと楽興を生んでいる。

ナショナル・フィルもよく鳴っており、ことに弦楽が素晴らしい。

いずれも聴きものだが、内容の変化にとんだ「ウィリアム・テル」が最も印象深い。

聴く者の心をとらえる演奏だ。」

 (『クラシック・レコード・ブック 1000 VOL.2 管弦楽曲編』、 1986 年)

 

 「ロッシーニの音楽特性を的確に掴んだ彫りの深い演奏。

シャイーのロッシーニ観をよく表しているのは、この『ロッシーニ・クレッシェンド』の適切な扱い方で、

わざとらしさのない、実に自然で大きなクレッ シェンドを付ける。

同時に旋律の歌わせ方も実に巧みである。

この全編に歌あり、という感じがこの演 奏の最大の特色といえる。

オーケストラの処理も鮮やか。録音用の名人オケ、ナショナル・フィルの

透明度の高い響きと確かなアンサンブルも聴きものだ。」

 (『クラシック CD カタログ 89 前期』、 1989 年)

 

「ロッシーニの音楽が、シャイ ーのドラマティックな感性や、

明快なリズムとリリシズムを巧みに配して、かなり楽しめるものとなっている。

オーケストラも透明度の高い響きと確かなアンサンブルも見せており、

聴きごたえのある演奏を展開している。ステージへの期待を誘うという点でも好演といえよう。」

 (『 ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 管弦楽曲編』、 1998 年)

 

 



■収録曲

ロッシーニ

 1. 歌劇「セビリャの理髪師」序曲

2. 歌劇「ブルスキーノ氏」序曲

3. 歌劇「ランスへの旅」序曲

 4. 歌劇「絹のはしご」序曲

5. 歌劇「どろぼうかささぎ」序曲

6. 歌劇「イタリアのトルコ人」序曲

7. 歌劇「アルジェのイタリア女」序曲

8. 歌劇「セミラーミデ」序曲

9. 歌劇「ウィリアム・テル」序曲

 

ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団

指揮:リッカルド・シャイー

 

[録音] 1981 年 1 月、ロンドン、キングズウェイ・ホール( 2 〜 7 , 9 )、

 1984 年 9 月( 1 )、 1984 年 6 月( 8 )、ロンドン、ウォル サムストウ・アセンブリー・ホール

 

 [初出] 2 〜 7 、 9 : 400 049 - 2 ( 1982 年)、 1 、 8 : 414 407 - 2 ( 1985 年)

 [日本盤初出] 2 〜 7 、 9 : L28C1171 (19 82 年 8 月 25 日 /LP) 、 400 049 - 2( 輸入盤 )

 (1982 年 10 月 20 日 /CD) 1 、 8 : L28C1957 ( LP )、 F35L50275( 輸入盤 /CD)(1985 年 11 月 1 日 )

 

[オリジナル・レコーディング]

 [プロデューサー]ポール・マイヤース( 2 〜 7 , 9 )、マイケル・ハース( 1 、 8 )

 [レコーディング・エンジニア]ジョン・ペロウ( 1 )、コリン・ムーアフット( 2 〜 7 、 9 )、スタンリー・グッドール( 8 )

 

[ Super Audio CD プロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)

[ Super Audio CD リマスタリング・エンジニア] 杉本一家( JVC マスタリングセンター ( 代官山スタジオ )

[ Super Audio CD オーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説] 諸石幸生 近藤憲一

[企画・販売] エソテリック株式会社

[企画・協力] 東京電化株式会社