SACD ハイブリッド

20世紀後半の弦楽四重奏の最高峰を極めた
アルバン・ベルク四重奏団による
極め付きの古典派 2曲を新たにカップリング。

 

ハイドン:弦楽四重奏曲第77番「皇帝」
& モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」
アルバン・ベルク四重奏団



価格:3,143円(税別)
ESSW-90101[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用


SOLD OUT!




20世紀後半に輩出された弦楽四重奏団の雄、アルバン・ベルク四重奏団

 1970年にウィーン音楽大学の若き教授たちによって結成され、アルバン・ベルク未亡人の同意を得て、20世紀ウィーンが生んだ最も重要な作曲家の名を冠したアルバン・ベルク四重奏団。

 2008年に解散するまで、最も人気のある弦楽四重奏団として活動を続け、ウィーンの伝統を守りつつ、同時代音楽に積極的に取り組むことをポリシーに、20世紀後半の弦楽四重奏団の在り方の一つの典型ともなったカルテットでした。演奏活動初期から録音にも積極的で、最初はテレフンケン(現ワーナーミュージック)、そして1978年からはEMI(現ワーナーミュージック)に幾多の名盤を残しています。

 今回は、旧EMI録音の中から、ハイドンとモーツァルトという古典派弦楽四重奏曲の名品2曲を日本独自でカップリングし、世界で初めて(*)Super Audio CDハイブリッド化いたします。
※2014年5月現在
  

 


ヴェテランの名手4人が繰り広げる艶やかな弦の響き  
 
 アルバン・ベルク四重奏団が円熟の足跡を残し始めたのは、1981年にヴィオラが創立メンバーからトマス・カクシュカに替わってからのことで、ちょうどデジタル時代に入り、ベートーヴェン、シューベルト、バルトーク、ドビュッシー、ラヴェルなど、弦楽四重奏曲の主要レパートリーを次々に録音し、そのいずれもが高い評価を得ることになりました。

 クラシック音楽の奥義とも言うべき弦楽四重奏曲において、ヴェテランの名手4人が繰り広げる艶やかな弦の響き、各声部のバランスの見事さ、細部にいたるまで緻密に計算されながらも息苦しさのない和やかさと、現代的な密度の濃さを併存させる手腕こそが、ウィーン音楽の演奏伝統を守りつつ、それを新しい時代に生かすというアルバン・ベルク四重奏団ならではのポリシーであり、当アルバムに収録されたハイドンとモーツァルトの2曲は、
それを最も鮮や化に具現化したものと言えるでしょう。



最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現    
 
 ハイドンの「皇帝」は、アルバン・ベルク四重奏団にとって、デビュー録音となった1973年のベルク「抒情組曲」などとともにレコーディング・キャリアの最初期にテレフンケンに録音していた作品で、この1993年〜94年のEMI録音はほぼ20年ぶりの再録音となったものです。

 また1990年のモーツァルトの「狩」は、やはり1970年代後半のテレフンケン録音に続く再録音であり、1987年から1990年にかけて収録されたモーツァルトのいわゆる「ハイドン・セット(全6曲)」の1枚でした。

 いずれも、アルバン・ベルク四重奏団が好んでセッションに使用していたスイスのセオンにある福音教会で録音されたもの。1408年に創建されたこの由緒ある教会は、優れた音響効果でも知られ、特に室内楽の録音で幾多の名録音を生みだしています。

 今回のSuper Audio CDハイブリッド化に当たっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。

 特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、貴重な音楽情報を余すところなくディスク化することができました。



『強靭で現代的な歌い回し。より一層の音楽する喜びに満ちている』    
 
 『アルバン・ベルクSQによるハイドンは、以前のウィーンの弦楽四重奏団に比べると、
はるかに強靭になっていた。ひ弱さは全く感じられず、現代的というのか、きびきびしている上、技術的にも隙がない。表情は一層深く、より熟し、表現はさらに厚みを加えた。
二十年の年輪が生み出したものだ。』

(岩井宏之、『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 室内楽曲編』)


『アンサンブルには全く隙がなく、非の打ちどころのない演奏で、4つの楽器も申し分なく調和している。表情に厚みが増し、強靭で現代的な歌い回しなど、より一層の音楽する喜びに満ちている。』

(幸松肇、『レコード芸術別冊・クラシック不滅の名盤-究極の100タイトル』)


『アルバン・ベルクSQ二度目のこの「ハイドン・セット」は、すこぶる精妙な重奏を維持しつつ、表現全体としては線が太くて積極的、筋をきちんと一本通したものになっている。
その絶妙なバランスが耳を傾けさせる。はつらつとしていてみずみずしく、説得力に富む
モーツァルトだ。』

(岩井宏之、『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 室内楽曲編』)


『彼ら二度目の「ハイドン・セット」。切れ味の鋭い緻密さや、きびきびとしたテンポとメリハリのはっきりした力強さに、以前より一層しなやかさを増した表情が、全体にほのかなロマンティシズムを付加し、その陰影の豊かさは息をのむほどである。』

(中村孝義、『レコード芸術別冊・クラシック不滅の名盤-究極の100タイトル』)

 


■収録曲

ヨーゼフ・ハイドン
弦楽四重奏曲第77番ハ長調作品76-3 Hob.III-77「皇帝」

1. 第1楽章 アレグロ
2. 第2楽章 ポーコ・アダージョ・カンタービレ(主題)
3. 第1変奏
4. 第2変奏
5. 第3変奏
6. 第4変奏
7. 第3楽章 メヌエット(アレグロ)
8. 第4楽章 フィナーレ(プレスト)


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩」

9. 第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ
10. 第2楽章 メヌエット
11. 第3楽章 アダージョ
12. 第4楽章 アレグロ・アッサイ


[演奏]

アルバン・ベルク四重奏団
ギュンター・ピヒラー(第1ヴァイオリン)、
ゲルハルト・シュルツ(第2ヴァイオリン)、
トマス・カクシュカ(ヴィオラ)、
ヴァテンティン・エルベン(チェロ)


[録音]
1993年12月、1994年6月16日〜24日(ハイドン)、
1990年6月7日〜14日(モーツァルト)、
スイス、セオン、福音教会
デジタル・レコーディング


[日本盤初出]ハイドン=TOCE-9160(1996年8月)

[オリジナル/プロデューサー] ヨハン=ニコラウス・マッテス
[オリジナル/バランス・エンジニア] ヨハン=ニコラウス・マッテス、ヒルマー・ケルプ [Super Audio CDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CDリマスタリング・エンジニア] 杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社、マスタリングセンター)
[Super Audio CDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説] 諸石幸生 近藤憲一
[企画/販売] エソテリック株式会社
[企画/協力] 東京電化株式会社