SACD ハイブリッド

ドイツの奥深い森にこだまするかのような、
カラヤン&ベルリン・フィル絶頂期に刻まれた
立体的なブルックナーの響き。

 

ブルックナー:交響曲 第4番
「ロマンティック」
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団



価格:3,143円(税別)
ESSE-90081[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用


SOLD OUT!




 

エソテリックならではのこだわりのSACDハイブリッド・ソフト  

  オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で高い評価を得ているエソテリックによる名盤復刻シリーズ。定評のある名盤を高音質マスターからリマスタリングし、世界初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現します。  
 


カヤラン+ベルリン・フィルとの絶頂期の記録  
 
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908〜1989)は、レコード録音に対して終生変わらぬ情熱を持って取り組んだパイオニア的存在であり、残された録音もSP時代からデジタル録音まで、膨大な量にのぼります。その中でも、ベルリン・フィルとの結び付きがいよいよ強固なものとなり、水準の高い録音が続々と行われた1970年代は、カラヤンの録音歴の中でも一つの頂点を築いた時代といえます。すでにこのエソテリックのシリーズでも、DG原盤によるシェーンベルクの《浄夜》ほかの「新ウィーン楽派作品集」や「メリー・ウィドウ」全曲盤、EMI原盤によるワーグナーとシベリウスの管弦楽曲集、2012年末には「4大オペラ」のボックスセットで「サロメ」と「アイーダ」などを発売し、Super Audio CDハイブリッド化された最高級のリマスタリング・サウンドが好評を頂いております。
 
 本作品は、LP時代には、2012年に発売したブルックナーの交響曲第7番とのカップリングで3枚組LPとして発売され、後のDGへの再録音以上に人気の高いブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」と、革ジャンを着たカラヤンの写真をジャケットに使ったことで有名なバルトークの「管弦楽のための協奏曲」が登場します。いずれも長らくSuper Audio CD化の待たれていた名盤です。  


レコード・アカデミー賞(1971年度)受賞の名盤    
 
 1970年に録音されたこのブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」は、日本では初出時に音楽之友社「レコード・アカデミー賞」を受賞するなど高い評価を得ています。カラヤンのブルックナー作品への傾倒は第2次大戦前からのことで、演奏会では第4番以降の諸曲をコンスタントに取り上げていましたが、録音面ではステレオ時代の到来を待ってようやく1957年に実現したベルリン・フィルとの交響曲第8番が最初でした。その後、ベルリン・フィルとの録音が本格化した1960年代にはなぜかブルックナーの録音は行われず、業を煮やしていた音楽ファンにようやく1971年になって届けられたのが、この交響曲第4番と第7番だったのです(海外盤では4チャンネル=クワドロフォニック盤としてリリース)。
 
 ブルックナーの全交響曲の中でも、「ロマンティック」というタイトルとも相まって、早くから最も人気のある第4番は、絶頂期をむかえていたカラヤン+ベルリン・フィルの芸術性を表現するのにまさにうってつけの作品であり、ここでも重厚で艶やかな金管、厚みのある弦、明滅する木管ソロの美しさ、そして各パートの精巧無比な統一感のある響きなど、カラヤンのもとで20世紀後半のオーケストラ美学を極めていたベルリン・フィルの充実ぶりを刻印しています。 


最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現

 カラヤンとベルリン・フィルは、この後1975年にブルックナーの交響曲全集の一環としてDGに第4番の再録音を行なっていますが、1970年代に比較的短いスパンでEMI→DGと再録音が行なわれたモーツァルトやチャイコフスキーの後期交響曲集などと同じく、このブルックナーの交響曲第7番も、時期の早いEMI盤の方にむしろこのコンビ独自の魅力がよりはっきりと出ているといえるでしょう。1950年代初頭から1972年までベルリン・フィルの録音がほぼ独占的に行なわれていた、ベルリン郊外のダーレム地区にあるイエス・キリスト教会の持つ豊かな響きを得ることで、カラヤンの演奏の志向する旋律線の息の長さ、一瞬一瞬の響きの美しさがまさに理想的な形で収録されていたからです。基本的にハース版を使用しながらも、改訂版の表情を引用するなど、「ロマンティック」というタイトル通りの名演となっています。

 今回のSuper Audio CDハイブリッド化に当たっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・アナログ・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。豊かな残響と細部の明晰さを両立させることの出来る稀有の録音会場であったイエス・キリスト教会における最高の録音の一つとしての魅力をこれまでのリマスター以上に明晰に聴き取ることが可能となったのです。 



ロマンティックであり、同時にリリックでもある演奏

 『カラヤンはブルックナーを抒情派の音楽家としてとらえている。したがって、カラヤンによって指揮された時、ブルックナーのシンフォニーは、ともするときわだちがちなあのものものしさを、ごくひかえめにしか示さない。ブルックナーのシンフォニーは大伽藍のごとくにそびえたつといわれたりするが、その表現はカラヤンによって再現されたものにはあてはまらない。そのようなカラヤンによるブルックナーのとらえ方が、ここで端的に示されている。ロマンティックであり、同時にリリックでもある演奏である。』
(黒田恭一、『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.1交響曲編』1985年)


『壮麗な力がみなぎり、徹底的に磨き抜かれたこの演奏に、ガツンと一発食らわされた感じだった。カラヤンは当時「自分とBPOは今、一番良い状態にある」と語ったことがあるが、そうした彼らの志気と埃の高さが最もよく示された演奏の一つといってよいだろう。』
(歌崎和彦、『レコード芸術・別冊・不朽の名盤1000』1984年)


『カラヤンとベルリン・フィルがピークを築きつつあったころの実に華麗な演奏。この後のカラヤンのすべてのブルックナー演奏に共通する耽美的ともいえる響きの美しさや、レガートをたっぷりと付けた縁取りの濃い旋律表現等々、すでにこの頃の録音から聴き取ることが出来る。』
(草野次郎、『クラシック不滅の名盤1000』、2007年)

 





■収録曲

アントン・ブルックナー
交響曲第4番変ホ長調[ハース版]

1: 第1楽章: 活気をもって、速すぎずに

2: 第2楽章: アンダンテ・クワジ・アレグレット

3: 第3楽章:
スケルツォ 活気をもって〜トリオ 速すぎずに、
決して引きずらないように

4: 第4楽章: フィナーレ 活気をもって、しかし速すぎずに


演奏
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン

[録音]1970年9月25日&10月16日、
ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会

[初出] 1c 065 02 414Q(1971年)

[日本盤初出] AA‐9685〜87
(1971年12月/ブルックナー:交響曲第7番とのカップリング)

[オリジナル/プロデューサー] ミシェル・グロッツ

[オリジナル/レコーディング・エンジニア]
ヴォルフガング・ギューリヒ

[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)

[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家
(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)

[SACDオーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ)

[解説]諸石幸生 歌崎和彦
[企画協力]東京電化株式会社
[企画/販売]エソテリック株式会社