SACD ハイブリッド

この高揚感とドラマ・・
ケンペが晩年に成し遂げた超弩級の名演!
初のSACDハイブリッド化!

 

シューベルト:交響曲第8(9)番
「ザ・グレイト」
 


ルドルフ・ケンペ<指揮>
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団



価格:3,143円(税別)
ESSS-90054[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
CD層:ADD
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

SOLD OUT!




 

オリジナルマスターサウンドの再生を追及。
「Master Sound Works= マスターサウンドワークス」


 オリジナルマスターサウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で好評のエソテリックによるデッカ、ドイツ・グラモフォンそしてEMIなどの名盤復刻シリーズ。発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、CD時代になった現代にいたるまで、カタログから消えたことのない名盤を高音質マスターからリマスタリングし、Super Audio CDハイブリッド化を行なっています。

今回の名盤復刻シリーズはてヨーロッパのさまざまなオーケストラを指揮したドイツの名指揮者、ルドルフ・ケンペ(1910-1976)がドイツCBS(現ドイツ・ソニー)に残した隠れた名盤、シューベルト:交響曲第8(9)番「ザ・グレイト」をSuper Audio CDハイブリッド・ソフトとして発売を開始いたします。  
 


ケンペ晩年の光輝あふれる偉業  
 
 ドイツの名指揮者、ルドルフ・ケンペ(1910-1976)は第2次大戦後のLP期以降に、名門ウィーン・フィルやベルリン・フィルを含むヨーロッパのさまざまなオーケストラを指揮し、数多くの名盤を残しています。ロイヤル・フィル、BBC響、チューリヒ・トーンハレ管、ミュンヘン・フィルの首席指揮者・音楽監督のほか、バイエルン国立歌劇場やドレスデン国立歌劇場の音楽監督をも歴任しました。その経歴は、コンサートとオペラ両面における彼の卓越した音楽性と音楽家や聴衆からの人気の高さを物語るものといえるでしょう。特に1960年代後半からは急速に円熟の度を加速させ、65歳という指揮者として働き盛りの年齢の時に肝臓がんで亡くなるまで、その最後の輝きをR.シュトラウスの管弦楽曲全集(1970〜74年録音、ドレスデン国立管/EMI)、ベートーヴェンとブラームスの交響曲全集(1972〜73年、ミュンヘン・フィル/EMI)、ブラームスの交響曲全集(1974〜75年、ミュンヘン・フィル/BASF)、ブルックナーの交響曲集(1974〜76年、ミュンヘン・フィル、チューリヒ・トーンハレ管/BASF、TUDOR)などの録音に結実させたのでした。 


ミュンヘン・フィルとのかけがえのない遺産
 
 ケンペは1960年からミュンヘン・フィルに客演し、1965年には首席客演指揮者に、そして1967年にはフリッツ・リーガーの後任として音楽監督に就任しています。その翌年1968年5月に、このコンビによる最初の録音プロジェクトが当時のドイツCBSによって実現し、5月22日から27日までの6日間でLP4枚分の集中的なセッションが行われました。その中の1枚が今回Super Audio CDハイブリッド化されるシューベルトの交響曲第8(9)番「ザ・グレイト」です。シューベルト晩年の作品の中でも最もスケールが大きくロマン的な作風をたたえたこの交響曲には、LP初期のフルトヴェングラー/ベルリン・フィルをはじめとする独墺系指揮者の名盤が目白押しですが、ケンペ/ミュンヘン・フィルのこの録音は、作品に内包される夢幻的な美しさ、そしてマグマのように尽きることなく噴出するエネルギーの躍動を余すところなく表出した名盤です。


マスターテープの感動をそのままに極上の状態でハイブリッド化が実現

 収録はミュンヘン市内のビュルガーブロイケラーというビアホールで行われました。1885年に開店したこのビアホールは1830人を収容できる大規模な空間を擁し、ヴァイマール時代から政治的な集会にも頻繁に使用され、ヒトラーのミュンヘン一揆の舞台ともなった歴史的な建物でした。その優れた音響効果ゆえにステレオ時代にはオーケストラの録音にも使用されていました。木質の空間に響くあたたかみを帯びたサウンドは、まさにケンペ/ミュンヘン・フィルの真髄と言えるものです。ヴァイオリンを左右に分け、低弦を左に置くいわゆる旧配置を採用することで、シューベルトのオーケストレーションの妙をすくい上げるようにして音にしていく繊細さがはっきりと示され、弦と溶け合いながら鳴り響く金管の美しさや、トゥッティのスケールの大きさなどを見事に捉えた、完成期のアナログ録音ならではの成熟したサウンドに仕上がっています。

 Super Audio CDハイブリッド化にあたっては、マスターテープの選定から最終的なリマスタリングの工程まで妥協を排した作業を行い、特にリマスタリングでは、D/Aコンバーターとルビジウム・クロックジェネレーターなど、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材やMEXCELケーブルを使用しています。オリジナルマスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでSuper Audio CDハイブリッド化されています。


「ゆるぎない造形力と引き締まった表現力--男性的に構築されたシューベルト」

 『1968年の録音で、同じころに作られたあのベートーヴェンの交響曲全集同様、独特のスタイルが完全に確立し、ゆるぎない立派な表現能力と、高い芸術的完成が音楽のすみずみまでゆきわたっている。きれいごとではなく本質が見究められており、いくぶん頑固で地味な音の質ながら、質朴な甘さと豊かなふくらみをもち、ロマン的な豊饒さをたっぷりと感じさせるところはケンペ=ミュンヘン独自のものである。8年前の録音だが、音楽的にきわめて満足すべき状態であり、この演奏が埋もれなかったことを喜びたい。』

(『レコード芸術』1976年4月号)

 『ケンペは持ち前のゆるぎない造形力と引き締まった表現力によって、この曲を男性的に構築している。歌に流れ過ぎることを厳しく抑えたドイツ的な名演といってよいだろう。強く確かな構成力で全曲を統一するとともに、細部にいたるまでのその表現は実に手厚く、バランスがよい。しかも、その演奏は決して剛直一方のものではなく、第2楽章をはじめ随所にとてもしなやかでゆたかな歌をうたって、シューベルトの音楽への真摯な共感を示している。ミュンヘン・フィルの反応も見事で、録音も古さを感じさせない。』

(小石忠男、『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.1交響曲編』1985年)

 『際立った存在感を持ち、底知れぬエネルギー、管弦それぞれの美と清澄の息づかいとバランスは、まさにケンペの美質を極めつくす場となり、シューベルトのさわやかな風がわたり、時を忘れる。類い稀な演奏である。ケンペは晩年にシューベルト、ブルックナー、マーラー、ショスタコーヴィチらの作品を好み、例えば彼のブルックナーはシューベルトに裏付けられている。』

(尾埜善司、2002 年発売のCD ライナーノーツより)



■収録曲
フランツ・ペーター・シューベルト
交響曲第8(9)番ハ長調 D944「ザ・グレイト」 


< 演 奏 >
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ルドルフ・ケンペ


[録音]
[録音] 1968年5月22日〜27日
ミュンヘン、ビュルガーブロイケラー (アナログ・レコーディング)
[日本盤LP初出]SOCM-116(1976年3月)
[オリジナルレコーディング/プロデューサー] ハンス・リヒャルト・シュトラッケ
[オリジナルレコーディング/エンジニア] ヘルムート・コルベ、ウルリヒ・ミューラー
[Super Audio CDプロデューサー] 大間知基彰 (エソテリック株式会社)
[Super Audio CDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリング・センター)
[Super Audio CDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説] 諸石幸生、尾埜善司、竹上誠治

[企画協力] 東京電化株式会社
[企画/販売] エソテリック株式会社