SACD ハイブリッド

流麗典雅の極み!
ここにはフランスの楽人らしい洗練の粋を極めた
モーツァルト演奏がある。

 

モーツァルト
フルートとハープのための協奏曲
クラリネット協奏曲


ジャン=フランソワ・パイヤール<指揮>
ジャン=ピエール・ランパル(フルート)
リリー・ラスキーヌ(ハープ)
ジャック・ランスロ(クラリネット)
パイヤール室内管弦楽団



価格:3,300円(税込)
ESSW-90052[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
CD層:ADD
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

SOLD OUT!




 

エソテリックならではの妥協を排したSuper Audio CDハイブリッド盤!

 オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で話題沸騰中のエソテリックによる名盤復刻シリーズ。発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、CD時代になった現代に至るまで、カタログから消えたことのない名盤を高音質マスターからDSDマスタリングし、初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現しています。

2011年、LP時代に一世を風靡した個性的なヨーロッパの二大名門レーベル、ドイツのTELDECおよびフランスのERATOを擁するWARNER CLASSICSの名盤を復刻いたします。その第1弾としてモーツァルトの協奏曲の不滅の名盤2タイトルをSuper Audio CDハイブリッド・ソフト化し発売を開始いたします。
 


ERATOレーベルを代表する1枚  
 
 1952年、第2次世界大戦後のフランス音楽の復興運動の中で、楽譜出版社エディション・コスタラ社のレコード録音部門として創設されたERATOレーベルは、知られざるフランス音楽の紹介や、フランスのアーティストによる演奏の録音に力を入れ、中でも当時録音の少なかった中世からバロック時代の膨大なレパートリーを続々と録音することで高い人気を誇ったレーベルです。同じLP黎明期にフランスに創設されたデュクレテ・トムソンやディスコフィル・フランセなどのレーベルが活動を休止したり買収されたりしていく中で、ほぼ半世紀以上にわたってその独自の路線を貫き、日本でも多くのファンの支持を得てきました。今回Super Audio CDハイブリッド化されるこのモーツァルトの協奏曲の名品二編を収めたLPは1963年に録音されたもので、創立後10年を経て軌道に乗ったERATOレーベルが生み出した永遠不滅の名盤として、LP初出以来カタログから消えたことのないアルバムです。

20世紀を代表するフランスの楽人が集ったモーツァルト
 
 この2曲でソロをつとめるのは、第2次世界大戦後のフランス音楽界を背負って立った名演奏家3人。「フルートとハープのための協奏曲」は、20世紀のもっとも偉大なフルート奏者、ジャン=ピエール・ランパル(1922-2000)とリリー・ラスキーヌ(1893-1988)の共演。ランパルは、1947年のジュネーブ国際音楽コンクールの優勝をきっかけに本格的なソロ活動を始め、パリ・オペラ座管弦楽団の首席奏者を務めるかたわら世界各地への演奏旅行を行なって、フルートという楽器の魅力を世界中に伝え、その音楽的価値の高さを認識させました。現在も世界随一の国際ハープ・コンクールでその名を残すラスキーヌは、16歳でパリ・オペラ座管弦楽団に史上最年少で入団、同団初の女性奏者となり、第2次大戦後、ERATOレーベルとの契約・録音によって、世界的な評価を確立したハープ奏者です。ランパルは生涯に5回、ラスキーヌにいたってはSP時代以来7回も、この協奏曲を録音しており、ランパルとラスキーヌの組み合わせでも同じERATOレーベルに1958年録音の旧盤があるほどですが、何といっても不滅の価値を持つのはこの1963年盤です。


ウィーン流儀とは異なるランスロの名演

 ランパルの同世代であり、同じフランス管楽五重奏団のメンバーでもあったジャック・ランスロ(1920-2009)は、20世紀フランスを代表する名クラリネット奏者で、その柔らかく美しい音色によって知られていました。ウィーンのウラッハやドイツのライスターなどの演奏とは異なり、端正な様式感の中にフランスらしいエスプリを感じさせる演奏が持ち味でしたが、教育者としての比重が高かったこともあって、その長い演奏活動に比して録音は少なく、この1963年のモーツァルト「クラリネット協奏曲」は、同時期に録音したモーツァルトやブラームスのクラリネット五重奏曲と並ぶランスロの代表的名盤とされています。

バロック音楽で未知の作品を発掘したパイヤール

 2曲で指揮を務めるジャン=フランソワ・パイヤール(1928年生れ)も、LPファンには忘れられない存在です。パイヤールもERATOレーベルの屋台骨を支えた指揮者で、1953年に自ら創設したジャン=マリー・ルクレール器楽アンサンブルを母体に1959年に結成したパイヤール室内管弦楽団とともに、バロック〜古典派音楽の演奏・録音で一躍その名を高めました。特にバロック音楽では未知の作品の発掘に力を入れ、パイヤールの録音によって20世紀に復活した作品も数多く、その決して押しつけがましくならない気品のあるエレガントな演奏は、日本でも多くのファンを獲得していました。


最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現

 収録場所は明示されていませんが、この時期のERATO録音の通例として、パリ市内の音響効果の優れた会場(教会?)で行われたものと思われます。流麗なフランス風の華やかさをまき散らすソロやオーケストラの響きを温かみのあるアナログ・サウンドで捉えた定評のある名録音です。

 また、Super Audio CDハイブリッド化にあたっても、マスターテープの選定から最終的なDSDマスタリングの工程での妥協を排した作業、そしてDSDマスタリングにあたっては、D/Aコンバーターとルビジウム・クロックジェネレーターなど、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材やMEXCELケーブルを使用しています。CD時代初期から何度もリマスターされ、現在に至るまで繰り返し再発売されてきた名演が、Super Audio CDハイブリッド化により、オリジナルの輝きをそのままに伸びやかなサウンドで復刻いたしました。


「モーツァルトのラテン的演奏の頂点がここに存在している」
 『ここにも生命力の永い音楽家がいた。ハープのラスキーヌである。高齢になってランパルと共演しても、このハープは決して独善的でない。こうした年齢の人のしっかりした、しかも味わいのある演奏を聴くたびに、日本の演奏家はどうして早い時期に引退してしまうのだろうと思われるのである。』
(門馬直美『レコード芸術別冊・不朽の名盤1000』1984 年)

 『それにしてもラスキーヌのハープの音色の艶やかさ華やかさや表現の深さ、ランパルやパイヤールとの呼吸の合ったやり取りなど、このレコード自体、永遠の名盤の一つといって差し支えないものである。ランスロの演奏も見事であり、モーツァルトのラテン的演奏の頂点がここに存在しているといっていい。』
(金森昭雄、『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.3 協奏曲編』1985 年)

 『このパイヤール盤は、この協奏曲のギャラントな魅力を最も美しく表現した演奏である。ランパル、ラスキーヌとも、この協奏曲をさまざまな演奏家と録音しているが、この録音がとくにすぐれているのは、両者が絶頂期だったからだろうが、優雅さと気品をたたえているからでもある。また、ランスロのクラリネット協奏曲も、ウィーンやドイツの奏者より明るい音色による端正な表現であり、最近は少なくなったフランス風のモーツァルト演奏の典型といえる。』
(浅里公三、『クラシック名盤大全・協奏曲編』、1998 年)

『もしもモーツァルトの《フルートとハープのための協奏曲》における「原イメージ」というものがあるとすると、それはおそらく当ディスクに由来するものといえるのではないだろうか。』
(吉井亜彦、『クラシック不滅の名盤1000』、2007 年)


 

■収録曲
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
1.フルートとハープのための協奏曲ハ長調 KV299
2.クラリネット協奏曲イ長調 KV622


< 演 奏 >
ジャン=ピエール・ランパル(フルート)
リリー・ラスキーヌ(ハープ)
ジャック・ランスロ(クラリネット)
パイヤール室内管弦楽団
指揮:ジャン=フランソワ・パイヤール


[録音]
[録音] 1963年6月 (アナログ・レコーディング)
[オリジナルレコーディング/プロデューサー] ミシェル・ガルサン
[オリジナルレコーディング/エンジニア] ダニエル・マドレーヌ
[Super Audio CDプロデューサー] 大間知基彰 (エソテリック株式会社)
[Super Audio CDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリング・センター)
[Super Audio CDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説] 諸石幸生 Olivier Alain
[企画協力] 東京電化株式会社
[企画/販売] エソテリック株式会社