SACD ハイブリッド

クレンペラーによる異形の名盤
フランクの交響曲とシューマンの第4番
2つのニ短調作品をカップリング!


フランク 交響曲ニ短調
シューマン 交響曲第4番

オットー・クレンペラー<指揮>
ニュー・フィルハーモニー管弦楽団他



価格:3,300円(税込)
ESSE-90048[SACD Hybrid]
DSD MASTERING
Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
CD層:ADD
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用

SOLD OUT!

 

エソテリックならではの妥協を排したSuper Audio CDハイブリッド盤!

 オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で話題沸騰中のエソテリックによる名盤復刻シリーズ。発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、CD時代になった現代に至るまで、カタログから消えたことのない名盤を高音質マスターからDSDマスタリングし、初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現しています。

2010年からは名門EMI CLASSICS名盤の復刻も開始し、よりライブコンサート的なそして自然なプレゼンスに優れた第1級のサウンドで収録されていることを実証。エソテリックの名盤復刻シリーズついての評価を益々高めています。
 


巨匠最円熟期の輝きを記録したEMI録音  
 
 20世紀最大の指揮者の一人、オットー・クレンペラー(1885-1973)が、1954年から1971年にかけてフィルハーモニア管弦楽団(およびニュー・フィルハーモニア管弦楽団)とEMIに残した録音は、バッハからクレンペラーの自作に至るまで、17世紀〜20世紀に至るドイツ・オーストリア系の主要オーケストラ作品を網羅しており、波乱万丈の生涯を送ったこの巨人の晩年の世界的な名声を確立しました。

 特に1956年以降はステレオで収録され、クレンペラーの音楽の特徴である対向配置にしたヴァイオリンの掛け合いの妙、各声部の立体感などがより鮮明に味わうことができるようになりました。クレンペラーの演奏解釈は、同時代のワルターやフルトヴェングラーのそれとは異なり、濃厚な感情表現にはきっぱりと背を向け、作品への陶酔を厳しく拒否し、あくまでも覚醒した目で古典的様式の範疇で作品を捉えているのが大きな特徴です。


異形の名盤・フランクの交響曲
 
 このアルバムは、クレンペラーが1966年に録音したフランクの交響曲と、1960年に録音したシューマンの交響曲第4番という2つのニ短調交響曲の名演を初カップリングしたものです。フランクの交響曲は、フィルハーモニア管弦楽団が創設者のウォルター・レッグによって解散させられた後、自主運営のニュー・フィルハーモニア管弦楽団として再出発した後の録音ですが、テンポがより遅くなり、まさに仰ぎ見るように巨大な造形によるクレンペラー最晩年の演奏様式を示し始めた時期にあたります。

 クレンペラーはフランクの交響曲を1933年、ロサンゼルス・フィルの指揮者に就任した最初のシーズンで初めてレパートリーに取り入れています。それ以後第二次大戦が終わるまで15回取り上げていますが、その後はこの1966年の録音まで指揮することはありませんでした。この交響曲は、フルトヴェングラーやメンゲルベルク、カラヤンなど、ドイツ、オーストリア、オランダ系の指揮者による個性的な名演が残されていますが、このクレンペラー盤はその中でも異色の存在です。全体を貫く巌のような遅いテンポの中で、オーボエを中心とする名手ぞろいの木管パートの冴え冴えとした響きが金管や弦にかき消されることなく明滅し、第2楽章ではハープが明確な彩りを添えています。


全集第1弾となったシューマン第4番

 1960年に録音されたシューマンの第4番は、クレンペラーによるシューマンの交響曲全集の第1弾となった作品で、初出はメンデルスゾーンの「イタリア」とのカップリングでした。1959年から1960年にかけては、ハイドン「時計」、ベートーヴェン「英雄」「第7番」のステレオ再録音、メンデルスゾーン「スコットランド」「真夏の夜の夢」、ワーグナーの管弦楽曲集、シューベルト「ザ・グレイト」、ブルックナー第7番など、クレンペラーの代表的名盤が続々と生み出された時期にあたり、心技体の圧倒的な充実ぶりは演奏の輝きに刻印されています。


最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現

 録音はキングスウェイ・ホールとアビーロード・スタジオという、当時EMIがオーケストラ録音に常用していた会場で収録されています。名手ぞろいのオーケストラからクレンペラーが引き出す独特の楽器郡バランス、明晰な立体感を見事に捉えた録音です。デジタル初期から早々にCD化され、HS2088やartマスタリングなど、繰り返しリマスターされている名盤ですが、今回改めてEMI所蔵のオリジナル・アナログ・マスターからのDSDリマスタリングが施され、これまでにない鮮明かつ新鮮なサウンドで蘇っています。 


「重々しく聴き手を惹きつける魔力を持つ」

 『クレンペラーの「第4 番」は聴き手の意表に出る箇所の少ないユニークな解釈を示していて興味深いものがある。第1楽章の緩い序奏部の重みもクレンペラーらしいが、主部アレグロにとった遅いテンポも独特で、ここでも重々しく聴き手を惹きつける魔力を持っている。フィナーレでは速いテンポでたたみかけ興奮される終結へ運んでゆく。緩徐楽章の絶妙さとパンチの効いたスケルツォも見事だ。』

(三浦淳史、『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.1 交響曲編』1985 年)



■収録曲
セザール・フランク(1822-1890)
1:交響曲ニ短調 作品48
ロベルト・シューマン(1810-1856)
2:交響曲第4番ニ短調 作品120


< 演 奏 >
ニュー・フィルハーモニー管弦楽団(フランク)
フィルハーモニア管弦楽団(シューマン)
指揮:オットー・クレンペラー


[録音]
1966年2月10日〜12日&15日、ロンドン、アビーロード・スタジオ1(フランク)
1960年2月19日、5月4日&5日、ロンドン、キングスウェイ・ホール(シューマン)※
(アナログレコーディング)

※Peter Heywarth "Otto Klemperer-his life and times, volume 2 1933-1973" 巻末の
Michael Gray編纂のディスコグラフィよるデータでは
1960年2月19日、5月4日&5日、ロンドン、アビーロード・スタジオ1録音とされています。

[LP初出] シューマン:SAX2398(1961年)、フランク:SAX5276(1967年)
[日本盤LP初出] シューマン:OS-3027(1961年)、フランク:AA8090(1967年)
[オリジナルレコーディング/プロデューサー] ピーター・アンドリー(フランク)
ウォルター・レッグ(シューマン)
[オリジナルレコーディング/エンジニア]ロバート・グーチ(フランク)
ダグラス・ラーター(シューマン)
[SACDプロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクター・クリエイティブ・メディア マスタリング・センター)
[SACDオーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説] 諸石幸生、大宮真琴、藤田由之
[企画協力] 東京電化株式会社
[企画/販売] エソテリック株式会社